陰日向に咲く儚花
「さて、無事に夫婦になれた事だし、俺達の誕生日祝いも兼ねて、今日は外食するか!」
慈はそう言ってくれ、わたしもそのつもりでいたのだが、何だかわたしは朝から気分がすぐれなかった。
気持ちの問題ではなく、体調がすぐれなかったのだ。
「菫は何食べたい?」
「んー、実はあんまり体調が良くないから、サッパリしたものがいいなぁ。」
わたしが何気にそう言うと、「えっ!体調悪いの?!大丈夫?!」と驚き心配する慈。
わたしは「大丈夫だよ、ちょっと気持ち悪い感じがするくらいだから。」と笑って済ませようとしたのだが、自分でそう言った後、わたしはふとある事に気付いた。
(あれ?そういえば、今月······)
そう思いながら、わたしが眉間にシワを寄せていると、慈はわたしの体調が悪いせいだと思い「それなら今日はもう帰ろ!今日はゆっくり過ごして、お祝いは後日にしようよ!」と言ったのだが···――――
「慈、ちょっと待って。帰る前にドラッグストア寄っていい?」
わたしがそう訊くと、「ドラッグストア?」と言う慈は、「風邪薬欲しいの?それなら家にあるよ。」と言ったのだが、わたしが買いたい物は風邪薬ではなかった。
「違う。風邪薬じゃなくて、妊娠検査薬を買いたいの。」
わたしがそう言うと、その言葉に慈は時が止まってしまったかのように一瞬固まったが、すぐに「え、えぇ?!」と驚き、「そ、それは大変だ!あ、えっと、ドラッグストア、この辺だと······」と、わたしが笑ってしまう程に動揺していた。
それから車でドラッグストアまで行くのだが、もしもの時の事を考えて、めちゃくちゃ安全運転をする慈がおかしくて、クスクスと笑ってしまうわたし。
そして、ドラッグストアに着いてからも、わたしが転ばないようにわたしの腰に手を添えてゆっくり歩く慈は、あまりにも過保護すぎた。