陰日向に咲く儚花
そこから助産師さんの指示に従い、わたしは必死にいきんだ。
何度いきんだか分からない程で、その度に(まだ?!)と思った。
少し呼吸が乱れてくると酸素マスクをつけてもらい、わたしはその後も陣痛がくる度に全力でいきんだ。
そして、どうやら赤ちゃんの頭が出ては引っ込んでを繰り返した為、会陰切開をする事になり、産科の先生に麻酔をしてからいきむタイミングで会陰切開をしてもらった。
「日向さーん、もう頭見えてるから、あともう少しで産まれるからね!頑張ってー!」
助産師さんの言葉で(あと、少しだ!)と思えると、頑張っていきむ事が出来た。
そこから、3度目のいきみの時···――――
「はいっ、日向さん!もういきまなくていいよ!力抜いて!」
そうは言われるが、下半身が砕けそうな程に痛くて上手く力を抜く事が出来ない。
(もう鼻からスイカなんてもんじゃないよ···!)
そう思いながら、力を抜く努力をしていた時、一気にドゥルンと下半身に解放感を感じた瞬間に助産師さんの「おめでとうございます!産まれたよぉー!」と言う言葉がLDRに響いたのだ。
わたしは汗を滲ませながら、股の間に視線を向けた。
そこには顔を真っ赤にしながら、必死に産声をあげている、我が子の姿があったのだ。
「元気な男の子ですよ!」
初めて見る我が子の姿に自然と涙が溢れてくる。
そして、ふと右側に居る慈の方を見上げると、慈はわたしよりも号泣しており、そんな慈の姿にわたしは笑ってしまったのだった。
その後、後処置をしてもらったわたしは病室へと運ばれ、初めての家族3人での時間を過ごした。
小さくて今にも壊れてしまいそうな程にフニャフニャの我が子だったが、意外と重みはしっかりとあり、3200gで産まれてきてくれた。
「可愛いなぁ〜······」
そう言って我が子を抱っこしながら、ずっと眺めている慈。
そんな慈と我が子の姿がわたしは愛おしくて仕方がなかった。