陰日向に咲く儚花
そして、わたしの自宅安静生活が始まったわけだが、せっかくの貴重な一週間をただ休んで終わりにするつもりなど毛頭無く、今後の自分の為に時間を使おうと決めていた。
まず、わたしは離婚に強い弁護士探しから始めた。
スマホを使い、色んな弁護士事務所を検索し、クチコミなども確認しながら探したが、意外にも"離婚に強い"と謳われている弁護士は多く、どの弁護士に頼むのが安心なのか迷った。
慈さんにも相談しながら多くの弁護士の情報を集め、最終的にわたしは向坂法律事務所という弁護士事務所で唯一の女性弁護士である佐倉(さくら)弁護士にお願いする事にした。
佐倉さんは40代前半くらいのクールビューティな印象がある女性で、今までに多くの女性から離婚の依頼を受け、たくさんの女性を救ってきた人だった。
早速、わたしは向坂法律事務所に問い合わせ、佐倉さんに依頼をしたわけだが、佐倉さんは既に数件の依頼を受け持っていた為、すぐには対応できないかもしれないという事だった。
しかし、今のわたしの現状と離婚理由が"夫の不倫"と"モラハラ"、"義母からの嫁イビリ"だと伝えると、すぐに対応すると言ってくださった。
「大丈夫です。離婚原因はご主人にありますし、証拠も揃ってるので有利に話を進める事が出来ます。必ず野花さんが納得いく条件で成立させますから安心してください。」
そう言ってくださった佐倉さんの言葉は、わたしにとってとても心強かった。
そんな中でもわたしはしっかり身体を休めるように心掛けた。
自分で身に付ける物の洗濯以外は全て慈さんがやってくれた為、わたしはここ数年で一番何もせず、申し訳ない程にリラックスした状態で過ごす事が出来た。
「今日は肉うどん作ってみたよ!」
わたしの身体の事を考えながら作ってくれる慈さんのご飯が、わたしは毎日楽しみで仕方がなかった。
誰かに作ってもらうご飯がこれほど楽しみで、食事が楽しく感じられた事が今までにあっただろうか。
「野菜を摂るのも大事だけど、肉も食べて体力つけなきゃね!」
そう言ってくれる慈さんとの食事は楽しかった。
毎日隣に並んで座り、一日あった事やどう過ごしたかなどを話しながら一緒にご飯を食べる。
そんな慈さんと一緒に過ごしていると、ふと疑問に感じる事があった。
(慈さんって、こんなに優しくて良い人なのに、何でまだ独身なんだろう。)
わたしはそれが不思議で仕方なかった。