陰日向に咲く儚花

その後、わたしは謹賀新年のシールやハンコなど、年賀グッズを年賀ハガキの横の棚に陳列しながら、慈と小島さんの事ばかりを考えてしまっていた。

慈の口から、小島さんの名前は聞いたことは無い。

それに話している姿も見たことは無い。

いつの間にか、わたしの知らないところで仲良くなっていたのだろうか。

確かにホームファッションとギフトコーナーは、全く接点がないわけではない。

ギフトコーナーが閉鎖されている期間は、ホームファッションがギフト担当をする事になっている為、ギフトコーナーからホームファッションに応援が入ったりもする。

しかし、それでも仕事帰りに車で送るような仲にまでなっているという事実には正直驚いたし、信じられない気持ちでいっぱいだった。

(慈に訊きたい······、この事が事実なのか、訊きたい······)

けれど、その気持ちがある一方で知るのが怖い気持ちもあった。

慈はわたしが訊いたら、本当の事を話してくれるだろうか。
それともはぐらかす?誤魔化す?···――――

とりあえずわたしは、すぐには訊かずに様子を見る事にした。

それでも気になるような事があれば、慈に直接訊いてみよう。

わたしはそう思いながら、自分の気持ちを仕事モードへと戻す努力をした。

そして16時が過ぎ、そろそろ休憩を取りに行こうかとしていた時、衣料品売場の傍にあるギフトコーナー付近に慈と小島さんの姿を見つけてしまった。

そんな二人の姿にドキッとしてしまうわたし。

距離がある為、何を話しているかまでは聞こえない。

しかし、森田さんからのあの話を聞いたあとでの二人の姿に、嫌な事ばかりを考えてしまう。

わたしはそんな二人を横目に通り過ぎると、休憩を取る為に5階の休憩室へと向かった。
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