陰日向に咲く儚花
そして、その日の夜。
わたしたちが愛を再確認し合った事は言うまでもなく、少し久しぶりにベッドの上で抱き合った。
勿論、仕事で身体は疲れていたが、それよりも渇きかけていた心が慈の愛により満たされていくのが感じられた。
事が終わると、わたしたちはお互いにすぐに眠りに就いてしまったが、無意識に求め合うように、慈の腕枕で抱き合ったまま眠りに落ちていたのだった。
あの日を境にわたしは、エネルギーチャージが出来たように、より一層仕事に励む事が出来た。
相変わらずの忙しさだったが、それでもわたしは頑張れた。
慈も年賀·喪中ハガキの印刷承りのし方を覚えてくれた為、わたしと橋口さんが手一杯の時は慈が手伝ってくれる事もあり、凄く助かった。
そんな慈の姿を見掛けると、森田さんは面白くなさそうな表情を浮かべていたが、それはいつもの事ではあるし、わたしも忙しさから気にしてはいられなかった。
11月に入ると、クリスマスカードの売場作りを始めた。
それから年明けに販売する福袋や売り出し商品の把握や、どのような売場作りをするかの計画も立て始める。
仕事は毎日そんな感じで忙しなく目まぐるしかったが、帰宅してからの時間はわたしにとっては癒やしでしかなかった。
帰宅すれば気が抜けて、ソファーで寝てしまう事も度々あったが、慈に支えられながら毎日を乗り越え、慈の優しさや思いやりに包まれながら眠りに就くのがわたしの幸せだった。
(この忙しさを乗り越えられたら、必ず慈に恩返ししよう。)
わたしは自分の中でそう強く心に決めていた。