迷信の生贄花嫁、食べられると勘違いしたまま竜王陛下の溺愛が始まって戸惑ってます~食べるって物理的な意味ですよね?~
(シドリウス様が私を召し上がってくださったら、彼の栄養になって役に立ちますね)
もともと死ぬはずだった命を救ってくれたのはシドリウスだ。
その彼が自分を所望しているなら、是非美味しく食べてもらいたい。
結論に至ったフィリーネはシドリウスから離れると、じっと見据えた。
「決めました。私、シドリウス様にこの身を捧げます!」
フィリーネの宣言にシドリウスは喫驚して目を見張る。
「待て、フィリーネ。そんな簡単に決めても大丈夫なのか?」
よく考えた方が良いと暗に示してくれているようだが、フィリーネの決意は固かった。
「簡単に決めた訳ではありません。この短時間で自分なりにいろいろと考えました。シドリウス様には助けていただいた恩もありますし、尽くしたいんです!」
フィリーネが祈るように手を組んで訴えると、肺腑を突かれた様子でシドリウスがアイスブルーの目を細めた。
「その言葉が聞けてとても嬉しい。私もおまえをずっと大切にするつもりだ」
甘やかな色を帯びた美しい顔が間近に迫り、フィリーネは目のやり場に困る。
食べられる相手ではあるが、流石にドキリとした。
(シドリウス様の言う大切にするって、大切に食べるという意味でしょうか?)
じっくり味わってくれるのはありがたいが、こちらとしては新鮮なうちにばくりと一気に食べて欲しい。
これはお互いが納得する落とし所を見つけないといけないようだ。
着地点はどこだろうとフィリーネがうんうん唸っていたら、シドリウスが唐突に質問を投げかけてくる。