迷信の生贄花嫁、食べられると勘違いしたまま竜王陛下の溺愛が始まって戸惑ってます~食べるって物理的な意味ですよね?~
「ところでフィリーネ。おまえは今いくつだ?」
「十七歳ですけれども?」
シドリウスは得心がいったというように深く頷いた。
「なるほど。少しあどけないのはそういうことか。それならフィリーネが十八の成人を迎えるまで待つとしよう」
「へっ!?」
フィリーネは目をぱちぱちと瞬く。
食べる時期が成人してからだなんて、なんだか肩透かしを食らった気分だ。
理由が分からないでいると、シドリウスがフィリーネの頬を優しくつつく。
「まだ時期じゃないと言っているだけだ。こういうのはきちんと大人になってからするものだからな」
「そうなんですか?」
食べるのに大人も子供も関係ないと思うのだが。
よく分からないフィリーネは怪訝な顔をする。
フィリーネの誕生日は夏と秋の境目なので半年近く先。少し待ったところで何も変わらない気がする。今ここで潔く食べてくれた方がシドリウスの役に立てるのでフィリーネ的にはありがたい。
それに、待っている間にこの世に未練が残ってしまいそうな気がする。
もう少し早くして欲しいと言いかけたところで、フィリーネは自分の身体へと視線を移した。
これまで、必要最低限の食事しか与えられて来なかった身体は痩せ細っている。
(私の身体はお世辞にも肉付きが良いとは言えません。となると、成人するまでの間は言わば肥育期間。少しでも食べられる肉の量を増やしておいた方が喜ばれます?)