迷信の生贄花嫁、食べられると勘違いしたまま竜王陛下の溺愛が始まって戸惑ってます~食べるって物理的な意味ですよね?~

第14話 竜王陛下2(シドリウス視点)



 シドリウスがランドレイス公爵と同じ夢塞病を発症したのは百年前。
 今でこそ現実世界に戻ってくるのは容易いが、発症当時は何日も夢の世界に囚われて目覚められなかった。

「夢塞病から自力で目覚める方法はただ一つ。自分が夢の中にいることを認識して夢の世界を展開している核を破壊することだ」
「聞いている分には簡単そうですけど。まず認識するのが難しそうですね。シドリウス様の場合は番関連の夢でしたっけ?」

 ヒュドーの言う通り、シドリウスが見る夢は番に出会えず生涯を終えたり、出会えたとても拒絶されたりといった内容のものばかりだった。

「夢塞病の厄介な点は、現実で起こりそうな内容ばかりを見せてくるところだ。夢か現実かが分からず、そのせいで発症した大半の人間が夢の中に囚われて命を落としてしまう」


 それに比べて竜人族は魔力の機微に聡い。
 すべての生き物は微弱な魔力を発しているため、それを感じない場合に夢だと判断できる。だからシドリウスが夢塞病に罹っても、現実世界へ戻って来られるのだ。
 とはいえ、夢塞病自体を治す方法はまだ見つかっていない。

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