迷信の生贄花嫁、食べられると勘違いしたまま竜王陛下の溺愛が始まって戸惑ってます~食べるって物理的な意味ですよね?~
(どの道、フィーから感じた魔力は僅かすぎて闇の精霊かどうかも判断できないが……)
釈然としない気持ちを抱いていると、ヒュドーがある提案をしてくれる。
「差し出がましいことですが、先王陛下に訊いてみるのはいかがでしょうか? 確か、精霊と交流するのがお得意だったと伺っています。何か分かるかも知れませんよ」
「そうだな。ギデリウスに話を聞いてみるとしよう。あいつは精霊に好かれやすい質だから、俺よりその辺の事情も詳しいだろう」
自然を大切にする心優しいギデリウスは、様々な属性の精霊に好かれている。
竜人族の間でも心優しい竜人として有名だ。
(心優しいが故に悪徳貴族たちにつけいられ、傀儡王にされてしまったがな)
シドリウスは早速、羊皮紙を用意してギデリウスに手紙を書いた。
書き終えた紙に向かって指を動かすと、宙に浮かんで鳥の形に変化する。
鳥は本物の鳥のように小首を左右に傾げて机の上で跳ねると、元気よく外へ羽ばたいていった。
見届けたシドリウスは椅子の肘かけに肘を置く。