破断直後のEt cetera

 どれだけ頑張っても自分の頭の中から出ていってくれない部長の姿。まだ心臓はドキドキとはち切れそうなほど悲鳴を上げている。

 どうにか十二村部長を自分の中から追い出そうと、何度も頭を横に振る。

 でも頭を振れば振るほど意識が朦朧とした。今更ながらに自分の馬鹿さ加減を思い知った。
   
(私、何やってるんだろう。今の人、本当に詩太さんだったよね?!)

 十二村製薬の御曹司でも庶民的な居酒屋で飲んだりするのか。お座敷のある格式高い料亭や、一流ホテルでしか食事をしないものかと思っていた。

 それに私と食べ物の好みも似ている。意外にも家庭的な料理が好きだったりするのだろうか?

 ダメダメ! やっぱり詩太さんのことを考えてしまう自分が情けない。

 もう終わったことなのに。こうも簡単にぶり返されるなんて安価な女すぎる。

 朦朧としたまま歩いていたせいか、コンクリートの小さなでっぱりに躓いてしまった。

 前に転びかけたところで、後ろから誰かに抱きとめられた。


「おい! っとに危なっかしいな。」   
「わッ!!」






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