破断直後のEt cetera
月曜日。デスクやロッカーに入っている自分の持ち物を、少しずつ持って帰ろうと紙袋を用意して出勤した。
「おはようございます。」
「お、大路さんっ!」
「お、おはよう〜!!」
ヒソヒソ話をしていた2人の秘書に挨拶をすれば、驚いたような顔で私を見ている。高坂さんはいない。パソコンのスクリーンセーバーは動いているからすでに出勤はしているのだろう。
両親は、すでに私が退職することを受け止めてくれている。お父さんからは、オージスの中途採用で、現在一般事務職の枠で募集がかかっていることを教えてもらった。
正直、お父さんの会社に行くかどうかはまだ分からない。同業種になるし、仕事はスムーズに進めることができるかもしれないけれど、せっかくだから自分のスキルを活かせるような職種に就きたいと思っている。
語学検定やIELTSも取得しているため、日本語学校で教える先生になるのも面白いかもしれない。
いっそバレンタインのスイーツ作りを活かして、スイーツショップの店員やカフェ店員なんかも楽しいかも。
今度は絶対に、毎日楽しく仕事ができる環境で働きたい。
総務から“退職願い”の雛形は届いているかと、パソコンのメールを開く。いつものように、他部署からのメーリングがいくつか届いており、総務部からのメーリングを見つけた。
でも私個人宛のもはない。先週送った私の“退職願い”に関するメールは、まだ開封されていないのかもしれない。
ふと、秘書課が静かなことに気付く。
さっきまで高坂さん以外の秘書2人がデスクにいたはずなのに、なぜかいなくなっている。
(出勤早々もう化粧直しに行った? それとも私が出勤して来たから気まずくなった??)
まあいいか、と、とりあえず総務部からきているメーリングを開封する。