破断直後のEt cetera
俺の強さは、すでに他校にまで広がり、バスケ部にも居づらくなって退部。高校2年生になる頃には、周りからも恐れられるほどの不良になってしまったのだ。
背の高さと筋肉質な身体つき、元々表情が固いこともあり、同級生や下級生からは見た目でだけで怖がられるようになった。
十二村のネームバリューのお陰で、教師からは当たり障りの無い評価を得ていたが、それでも高校に上がってから内申が下がったのは事実だ。
自分で自分が不良だという自覚はない。それでも、周りの俺を見る目は、恐怖心に駆られている。
受験生になる頃には孤立していた。
まだ14歳の大路未怜を紹介されたのは、そんな時だった。
彼女はあまりにも小さくて、純粋で、でも俺を見る目に恐怖は感じなかった。むしろ期待に満ち溢れているように、目を爛々と輝かせていたのだ。
何も知らない彼女は、“俺”という婚約者を、十二村の御曹司としてしか見ていないのだろう。御曹司というものを、綺麗なものとしてしか見ていないのだ。
薄汚れた俺の実態を知れば、きっと恐怖心を抱き、彼女にとって不本意な婚約となるだろう。
初めての顔合わせでは、上手く喋ろうにも喋れなかった。
どの言動から自分の、不良としての姿が漏れるか分からないと思ったのだ。本当の俺は、不良に舐められないためにも言葉遣いが悪かった。
彼女の前では、素っ気ない態度でいた方が楽だった。なるべく彼女の目に、俺という存在を映したくなかった。
大学生になる頃には、周りも大人になっていたせいか、俺に絡む不良はいなくなっていた。
彼女の婚約者の名に恥じないよう、大学では素行には気をつけて過ごしていたつもりだ。
気付けば連絡先も知らないまま、10年以上も時が過ぎてしまっていたのだが。