破断直後のEt cetera
「そっか……。そうまでして、十二村のことが好きか……。」
「はひ。すびばせん……」
「ううん。僕はそういう一途な大路さんにも惚れてるからね。」
「そんな……あ、あゔぃがとうございばす……」
「ふふ。なんかもう、かわいすぎてこのままうちに連れ帰っちゃいたいくらいだよ。」
ポンポンと最後に軽く頭を撫でられて、肩を掴んで離される。
自分の酷い顔を見られたくない。そう思って手の甲で隠していれば、課長がハンカチで涙を拭いてくれた。
「ほら、鼻水出てる。寒いし帰ろうか。途中まで送るよ。」
まるで面倒見のいいお兄ちゃんのようだ。
濡れた涙の痕に、冬の冷たさが伴う。
マフラーにうずくまろうと、首元を触れば、マフラーがないことに気がついた。
そういえば、さっきからマフラーの感触がない。どこかに落としたのだろうか?
真っ暗な道筋を目で辿れば、課長の後ろに人影が出来ている。
その人は、私のマフラーを手にしていた。
「……何してるんだ、楢崎と、大路。」
そこには十二村部長が立っていた。
グレージュのチェスターコートを着て、街頭に照らされた髪が冷たい風に靡いていた。