【書籍化】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【コミカライズシーモア先行連載中】
「……ゴトフリー。あのね、ゴトフリーが一番嫌だと思うことしてしまって、本当にごめんね……仲直りしたいな。して良い?」

 そう言ってちゅっと彼の鼻の上にキスをすると、嬉しそうにゴトフリーはゆっくり頷いてくれた。

「アリス。怒っていないの? 俺は、あんなことしたのに……」

 おずおずとして、ゴトフリーは聞いた。いつもは余裕がある彼らしくない行動に、アリスは微笑ましく思いふふっと笑ってしまった。

 そう言って落ち込んでしまったゴトフリーは、普段ならばきっとアリスの気持ちを考えないような、あんなことはしないと信じられる。

 今回は不用意に彼の一番して欲しくなかったことをした自分が悪かったんだと、素直に思えた。

「……もしも、ゴトフリー以外の人が私にあんなことしたら、今頃、近くの騎士団詰め所に駆け込んでるとこだよ」

「うん。そうだよな……」

 冗談交じりに言ったのに真剣な顔をしたまま、ぎゅっと膝の上で手を握ってゴトフリーは項垂れた。

 蜂蜜色の髪の毛に、アリスは黙ってキスをした。そうして、情けない顔を上げたその唇にも。
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