【書籍化】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【コミカライズシーモア先行連載中】
 さわさわと丁寧な手付きで水滴を拭ってくれた。

(もー。布の柄も可愛い。かわいいもの好きな私には、たまらないんだけど!)

 何もかもが可愛いこの宿屋は、アリスの理想の場所のようだった。

「もうっ……身体を拭くくらい、自分で出来るよ。ゴトフリーも冷えちゃうから、自分の身体拭いて」

 続けてアリスが上げていた髪の毛を下ろして拭き始めたゴトフリーに言った。本当に楽しいことをしているように、目を細めていた。

「俺は風邪を引かないから良いよ。これまで言っていなかったけど、アリスのこの髪すごく好きなんだ。ずっと乾かしてみたいなって思ってたから、邪魔しないでアリス」

 彼の言葉を聞いて嬉しかったけど、やっぱり照れてしまって素直に表せなかった。その代わりに彼の大きな身体を、アリスが黙って拭いてあげる。

(ゴトフリーって、本当に理想的な筋肉のつき方をしている)

 何をどれだけ頑張れば、このような強靭な体になるのかアリスには、皆目見当もつかなかった。彼が幼い頃から死ぬ程の努力をしたという、そんな日々が形になって表れているのが、現在のこの姿なのだろう。

< 168 / 262 >

この作品をシェア

pagetop