【書籍化】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【コミカライズシーモア先行連載中】
 何かを渇望するかのような表情を見て、甘い喜びが背筋を走る。

(この人は今、私に欲情している)

 もしかしたらこの人は、自分のことが好きなのではないかと、そう誤解してしまいそうな程の熱い視線も感じて。

 本格的に始まった激しい愛の行為の後、アリスは泣きそうになってしまった。

「……どうしたの? 気持ちよくなかった?」

「違うの。すごく……気持ちよかった……」

 アリスは今感じている自分の思いを、言葉にするのが、とても難しかった。

 ずっと憧れていたゴトフリーと、信じられないような甘い時間を過ごしていること。

 身も心もぐずぐずにとかされた彼の慣れた手つきに、必ずいるだろう過去の誰かの存在に嫉妬を感じていること。

 そして、大き過ぎる快感に自分は何か違うものになってしまいそうな不安を感じていること。

 言葉に出来ない思いが全てないまぜになって、涙になってこぼれてきた。

「……もう、これでやめる? アリスさんがこれ以上は気乗りしないなら、俺は……」

「……やだ。やめない。やめないで」

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