【書籍化】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【コミカライズシーモア先行連載中】
「私はもし付き合うんだったら、私の事好きになってもらいたいの! そんな、騙し討ちみたいなことをしたかった訳じゃないもの」

 リリアはカップをソーサーの上に戻しつつ、優しく言った。

「アリス。彼は好きじゃない女の子に付き合って欲しいというような男の人じゃないと思うけど。もしその言葉が欲しいなら自分から聞いてみなさいよ。もしかして私の事好きなの? って」

「……そんなの聞けない」

 そんな風に素直に聞けるなら今まで苦労してない。彼氏いない歴と年齢が合致する事態になってない。落ち込んで俯いたアリスのおでこに指を当てて上を向かせると目線を合わせてリリアは語りかけた。

「あのね、人の気持ちって変わるのよ。今日付き合ってって言ってくれてる彼だって、明日はまたその気持ちが変わっているかもしれない。もしそうなったら……後悔するのはアリスだよ」

「……わかってるよ」

 じわっと涙を浮かべたアリスを見て、ちいさくため息をつくとリリアはその頭をゆっくり撫でてくれた。

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