【書籍化】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【コミカライズシーモア先行連載中】
 リリアの言っていることはいわゆる大人として生きていく上でのお手本だ。その通りに行動出来ない自分は人間として欠陥品なのだろうか。頑是無い子供がそのまま体だけ成長してしまったようだ。

 ゴトフリーに自分の思っていることを全部言えたら良いのに。そうしたら、彼はどう思うだろうか。それを本当は知りたくて、知るのが怖くて、相反する気持ちが苦しい。


◇◆◇


「はい。アリスさんこれよろしく」

 アリスの居る窓口に書類を差し出したのは、この前飲み屋で会ったレオ・オーウェンだ。眼鏡をかけて知的な雰囲気を持つ竜騎士の彼は女性の文官達の中でも人気があるから、背中に視線が集まるのを感じる。

 ゴトフリー以外の竜騎士が来るのはなんだか久しぶりな気がしてアリスは、職務上の愛想笑いじゃない笑顔を見せた。

「こんにちは、オーウェンさん」

「レオで良いよ。あの夜ぶりだね」

 眩しそうな笑顔を返してくれる彼は、ゴトフリーにどこまで聞いているのだろうか。男性同士ってこういうことをどこまであけすけに、言い合うものなのだろうか。

 そのアリスの複雑な気持ちを言い当てるようにレオは言った。

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