【書籍化】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【コミカライズシーモア先行連載中】
どんなに汚い文字だろうがきちんと上長の判が押された必要書類を提出している以上、支払いが滞ればこの仕事をしているアリスの責任になる。どうしても読めない場合は部署まで送り返したり本人を呼び出し話を聞き取りしつつの作業になるが、振り込みには期日もありその手間が惜しかった。
そして、かなりの時間をかけてある難読書類に打ち勝った後で大きく息をつきながら、それをめくって次の書類に取り掛かろうとした、その時だ。
(え、何。今まで見たこともないくらい、めちゃくちゃ綺麗な文字)
その書類はまるで文字を書くことが仕事である代筆屋で頼んだような流麗な文字で書かれ、しかもきちんと枠内に全て収まるように文字の大きさまで計算し尽くされていた。言葉もなくじっとその書類の文字に見入っていたが、こんな文字を書くのは誰なのだろうという軽い気持ちでその名前を目にした。
「ゴトフリー・マーシュ。竜騎士かぁ」
思わずこぼれてしまったちいさなその呟きは、月末が近く戦争のような様相を繰り広げている同僚たちのがやがやとした喧騒にのまれて誰の耳にも届かなかった。
そして、かなりの時間をかけてある難読書類に打ち勝った後で大きく息をつきながら、それをめくって次の書類に取り掛かろうとした、その時だ。
(え、何。今まで見たこともないくらい、めちゃくちゃ綺麗な文字)
その書類はまるで文字を書くことが仕事である代筆屋で頼んだような流麗な文字で書かれ、しかもきちんと枠内に全て収まるように文字の大きさまで計算し尽くされていた。言葉もなくじっとその書類の文字に見入っていたが、こんな文字を書くのは誰なのだろうという軽い気持ちでその名前を目にした。
「ゴトフリー・マーシュ。竜騎士かぁ」
思わずこぼれてしまったちいさなその呟きは、月末が近く戦争のような様相を繰り広げている同僚たちのがやがやとした喧騒にのまれて誰の耳にも届かなかった。