【書籍化】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【コミカライズシーモア先行連載中】
 ゴトフリーは経済観念が物凄くしっかりしているらしい。竜騎士なら街中に豪邸も構えて使用人をたくさん雇うことも可能だろうに、思ったより庶民的みたいだ。アリスはそういう彼らしいところも好きだなと思ってしまった。

「えっとね、でも私そんなに料理上手じゃなくて、がっかりするかも……」

 もしかしたらゴトフリーの方が料理が上手い可能性もあるのではないかと、落ち込んだ。アリスは学生時代は勉強ばかりしていたし、就職してから家を出たから、母親にそこまで詳しく教わった記憶はない。仕事で遅くなると外食も多いし、自炊はたまにやる程度で自己流で何となく自分の好物が作れるレベルでしかない。

「あのね、そりゃお金を出してお店で食えば凝った料理が食べられるんだと思う。でも俺にはアリスの作った料理が一番美味しく思えると思うよ。だから無理がない程度に作ってくれたら嬉しい」

 その優しい言葉にこくんと頷きながら、そういえば大事なことを忘れていたアリスはしゅんと肩を落とした。

「あ、でもね、来週から当分の間は、お弁当作れないかも」

 突然トーンの変わった声にゴトフリーは首を傾げる。

「ん、何かあるの?」

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