悪女ロベリアの矜持 ~欲にまみれた王族の皆様。〝ただの側室〟に翻弄される気分はいかがですか?~
 守衛室に駆け込み、状況を伝える。

 「ここに来る途中にも、開けっ放しになった部屋がいくつかありました」
 「ご報告ありがとうございます。すぐに確認に行かせます」

 話を聞いてくれた兵士が、速やかに部下たちに指示を出す。
 すぐに数人が談話室に向かった。

 「自分はエミリオ殿下を呼んでまいります」
 「頼んだ」

 兵士たちの短いやり取りを聞いた途端、深夜に起こしてしまう申し訳なさと同時に、安堵する。
 殿下がきてくれるなら大丈夫だ。

 「ありがとうございます。私の勘違いだといいのですが」
 「女性ばかりで不安でしょう。部屋までお送りします」
 「いえ、見回ってくださってますし一人で大丈夫です」

 気遣いはありがたかったけれど、遠慮する。
 ここに来るまでの間に怪しい気配はなかったし、荒らされたのはもっと前に違いない。
 それに現場を確かめに行った兵士たちが先行しているのだし、危険はないはず。
 そう判断して、ぺこりと頭を下げその場を辞した。

 案の定、部屋に戻る廊下には兵士が点在し、私の存在に気づくと「お気をつけて」と声をかけてくれた。

 水を飲みに来たはずなのに、それどころではなくなってしまったわ。

 呑気なことを考えながら二階の自室を目指して上り始める。
 もしかしたら部屋を荒らした犯人が地下に隠れているかもしれない。少し怖いし、明日の朝まで我慢しよう。

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