悪女ロベリアの矜持 ~欲にまみれた王族の皆様。〝ただの側室〟に翻弄される気分はいかがですか?~
 「何奴だ⁉︎」

 勢いよく起き上がり厳しい声で誰何するが、声は答えない。

 「近衛兵を呼べ! 曲者だ!」

 異常事態を察して、枕元に備えてある呼び鈴を激しく打ち鳴らし叫ぶ。

 「ようやくか、耄碌ジジイめ」

 それを嘲笑うように、侵入者が焦りもせずに言う。
 だがそんな態度も今だけだ。すぐにでも廊下に控えていた護衛が飛び込んでくるだろう。
 
 勝ち誇った顔で笑う。
 しかしいつまで経っても護衛は来ない。それどころか返事すらない。
 激しく胸がざわついた。

 「貴様……一体何をした!」

 少しずつ目が慣れてきて、そこにいるのが背の高い男だということが分かる。
 その男は小さく肩を竦め、ため息をついた。

 「素直に部屋に入れてくれない無能だったので。オレが片付けておきましたよ、父上」

 その言葉を聞いてホッと身体から緊張が解かれる。

 「なんだ、ロエルか……」

 よくよく目を凝らして見てみれば、確かにそこにいるのは余の息子ロエルだった。
 一体こんな夜中に何のつもりか。冗談のつもりなら笑えない。

 もしやロベリアに近づくのを禁じた腹癒せか。
 聞こうとして開けかけた口が途中で固まる。

 たとえ息子であっても、余の許可なく護衛が通すはずがない。
 なのになぜ室内に。
 それに今、片付けたと言ったか。
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