悪女ロベリアの矜持 ~欲にまみれた王族の皆様。〝ただの側室〟に翻弄される気分はいかがですか?~
「まさか貴様っ……!」
護衛を手に掛けたのか。
そう言おうとした瞬間、ロエルの影がひらりと動いた。
腹部に衝撃が走る。
熱い。
遅れて痛みを感じる。
息が詰まった。
「な、にをーー」
「気づいたんだ。お前のせいでロベリアと一緒になれないと」
何が起きたか理解できず戸惑う余に、ロエルが妙に晴れやかな声で言う。
いつの間にこんなに距離を詰められたのだろう。
ロエルはベッドに乗り上げ、至近距離にまで迫っていた。
ここまで近づけば流石に表情も見える。ロエルは笑っていた。
焦点の合わない目を見て、正気じゃないことはすぐに分かった。
頬が黒く汚れている。
いや黒ではない。赤い液体だ。
「オレとロベリアのために、死んでください父上」
それが血だと気づいた時、ロエルが耳元で囁くように言った。
「や、やめよ無礼者!」
息子だったはずのものが、唐突に別の生き物に見えて思い切り突き飛ばす。
不意をつかれたのか、ロエルが仰け反るようにベッドから転がり落ちた。
逃げなければ。
「うぐっ」
慌てて立ちあがろうとして、腹部の激痛で体勢が崩れる。
確かめるように腹に触れると、ぬるりとした感触があった。
混乱して視線を泳がせると、ベッドの上には血濡れた長剣が転がっていた。
護衛を手に掛けたのか。
そう言おうとした瞬間、ロエルの影がひらりと動いた。
腹部に衝撃が走る。
熱い。
遅れて痛みを感じる。
息が詰まった。
「な、にをーー」
「気づいたんだ。お前のせいでロベリアと一緒になれないと」
何が起きたか理解できず戸惑う余に、ロエルが妙に晴れやかな声で言う。
いつの間にこんなに距離を詰められたのだろう。
ロエルはベッドに乗り上げ、至近距離にまで迫っていた。
ここまで近づけば流石に表情も見える。ロエルは笑っていた。
焦点の合わない目を見て、正気じゃないことはすぐに分かった。
頬が黒く汚れている。
いや黒ではない。赤い液体だ。
「オレとロベリアのために、死んでください父上」
それが血だと気づいた時、ロエルが耳元で囁くように言った。
「や、やめよ無礼者!」
息子だったはずのものが、唐突に別の生き物に見えて思い切り突き飛ばす。
不意をつかれたのか、ロエルが仰け反るようにベッドから転がり落ちた。
逃げなければ。
「うぐっ」
慌てて立ちあがろうとして、腹部の激痛で体勢が崩れる。
確かめるように腹に触れると、ぬるりとした感触があった。
混乱して視線を泳がせると、ベッドの上には血濡れた長剣が転がっていた。