悪女ロベリアの矜持 ~欲にまみれた王族の皆様。〝ただの側室〟に翻弄される気分はいかがですか?~
 一ヶ月の投獄生活でみるみる痩せ衰えていったのを思い出せば、どう足掻いても痩せない身体ということではないらしい。
 当たり前のことだが、その事実は私を勇気づけた。

 だけどあの時の食事はダメだ。
 栄養なんてないに等しいあの食事内容では、肌はボロボロ、髪はボサボサで、痩せたというよりやつれていた。
 鏡がなかったので実際どんな見た目になっていたのかは分からないが、美しさとはかけ離れた姿だったはず。

 その日から私は部屋に引き篭もるのをやめた。

 家族が茶化してくるのを無視してバランスの良い食事を少量に抑えて食べるようにした。
 日に焼けないよう広い領主館の中を走り回って運動するのを心がけた。
 興味のないフリで、どうせ可愛くなれないからと諦めていたメイクの研究も始めた。
 今まで以上の教養を求めて家庭教師の話を熱心に聞いて、質問も積極的にするようになった。
 行儀作法や美しい所作も、姉を思い出しながら姿見の前で何度も特訓した。

 三ヶ月もする頃には着られる服はなくなり、姉のクローゼットを借りるようになった。
 両親は「ようやく女の子らしさに目覚めた」「これならマーロウ侯爵ともう一度話し合いができる」と喜んだが、兄は「調子に乗るなよ」と分かりやすく不機嫌になっていった。

 彼らの反応は不快だったが、私のやり方が独りよがりの間違ったものではないという自信に繋がった。
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