ハロー
「未来ちゃん。どうしたの?何かあった?」

保健医の先生が椅子から立ち上がり、未来の近くへと歩いてくる。未来は俯きがちに「えっと……」と言葉を探した。保健医の先生は優しく微笑む。

「ゆっくりでいいよ。ちょっと座ろうか」

案内された椅子に未来は座る。マグカップに保健医の先生は温かいお茶を淹れてくれた。未来はお茶を一口飲む。心が少しだけ軽くなったような気がした。

「あのね、先生……。また、楠木さんに助けてもらったの。私、また「ありがとう」って言えなくて……」

未来の瞳に涙が浮かんだ。保健医の先生が未来の隣に座り、肩を優しく撫でる。未来の頰を涙が伝った。

「言いたいのに、言葉が出てきてくれない……」

誰もが当たり前に話すはずの言葉だ。それが喉の奥にいつもつっかえてしまう。未来が泣き出すと、保健医の先生は「ちょっと待ってて」と言い、机の引き出しを開けた。

「実はね、人権委員会で「こんなものを作りませんか?」って提案されたんだよね」
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