追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
『ラシリネ』
「彼女の名を、軽々しく呼ぶな!」
『おー、怖っ。嫉妬心だけは、いっちょ前にあんのかよ。あの子を現在進行系で、傷つけているくせになぁ?』
「仕方ないだろう。彼女は強引で、傲慢で、最悪な態度の男が好きなんだ。今のままでは見向きもされないのなら、変わるしかない」
『あんたの想いがあの子に通じねぇのって、そういう思い込みの激しいところが足を引っ張っているからじゃねぇの?』

 いくら神であれども、言っていいことと悪いことがある。
 ダリウスが苛立たしげに獣を睨みつければ、彼は呆れたような声を響かせた。

『私達はあんたらが想いを通じ合わせることは、反対してねぇ。つまり、あんたの味方だ。わかったら、もう二度と器を傷つけるなよ』
「聖女と人間が想いを通じ合わせれば、神の天罰が下る。彼女はその言い伝えを恐れている。君からの許可を得られたとしても……」
『聖女には地区ごとに、担当となる神がいる。愛し子の伴侶に相応しき男が見つかれば、個別に許可を出す決まりだ』

 聖女ですらも知らない真実が次々と明らかになっていく。

(魔具を使って、本当によかった……)

 自らを褒めると同時に、ダリウスは神を恨んだ。
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