追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
『あんたが聖女になったおかげで、エヴァイシュ帝国は魔獣に苦しめられずに済む。私の査定も上がって、皇帝の役に立てたと自己肯定感が満たされると来たら、いい事ずくめじゃねぇか!』
「ですが……。陛下は、この状況に納得がいかない様子を見せています……」
『あんたが悲しまねぇように、きちんと説明してやったんだがな……。あいつ、真面目な顔をして案外頭の出来は悪いのかもしれねぇな』

 獣の身体を借りて陛下を馬鹿にする発言をした神のありがたい言葉を聞き、ラシリネは金色の瞳を釣り上げて怒った。

「陛下は、素晴らしい殿方です! たとえ神様であろうとも、悪く言うのは許しません!」
『お、おう……。この程度の言葉で憤慨するくらいなら、もっとあいつを全身で好きだってアピールしたほうがいいぜ?』

 今までは「陛下には自分以外の想い人がいる」と勘違いしていたせいで遠慮し、昔馴染みと言う関係性から外に出ないように配慮をしてきたつもりだ。

 神は「誤解が解消された今、そうする理由はない」と言いたいのだろう。

 しかし、聖女となった自分にはそう出来ない問題が起きている。
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