追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
「俺は必ず、ラシリネを妻として娶る。彼女がこの国を治める聖女になっては、困るんだ」
「だから、魔具を使って陛下だけではなく神すらも欺き、偽りの聖女を祭り上げるって? あんた、気でも触れてんじゃないの?」

 アオリは冗談めかして告げたが、彼はそう言われるのは折り込み済みだと言わんばかりに肯定する。

「そうかもしれんな」

 その反応速度にますます気味の悪さをいだき、苦虫を噛み潰したような表情をする羽目になった。

「当然、あたしが偽物だってバレたあとのアフターケアは、してもらえるんでしょうね!」
「もちろんだ。全力でサポートする」

 彼は当然のように2つ返事で頷いたが、どうも胡散臭い。

(こいつは姉様さえ手に入れば、周りがどうなろうが知ったこっちゃないタイプでしょう? いくら聖女になりたいからって、手を組むのは悪魔と契約を交わすようなもの。リスクが高すぎるわ)

 ダリウスと手を取り合うのはいい。
 問題は、そのあとだ。
 己が偽聖女だとバレた場合にすべての責任を押しつけられては堪らない。
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