追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
(本当に、目障りだわ……)
ラシリネがダリウスに好かれていなければ、今頃全力で潰しているところだ。
(忌々しい……)
自国ではハズレ聖女と呼ばれていた姉は、皇帝の手によって賞賛を受ける聖女に生まれ変わってしまった。
(もしも姉様があたしよりも先に生まれていなければ、あの男の愛はこちらに向けられていたのかしら……?)
アオリはあり得たかもしれない未来を思い浮かべ、すぐさまかき消す。
あれほど気味の悪い執着愛を向けてくる男など、いくら整った容姿であったとしても好かれたくないからだ。
(このまま嘘をつき続けてうまく取り入り王妃の座を狙うか、このまま行方を眩ませて別人として生きるか……。悩みどころね……)
――これからどう立ち回るべきか。
頭を悩ませていた少女は、前方から神獣とともに駆けてくる女性の姿に名前を呼ばれるまで気づけなかった。
「アオリ……?」
「わふ!?」
姉は歩みを止め、金色の瞳を見開く。
まさかアデラプス王国を任せたはずの新たな聖女が、自分の治める帝国へやってくるなど夢にも思わなかったのだろう。
ラシリネがダリウスに好かれていなければ、今頃全力で潰しているところだ。
(忌々しい……)
自国ではハズレ聖女と呼ばれていた姉は、皇帝の手によって賞賛を受ける聖女に生まれ変わってしまった。
(もしも姉様があたしよりも先に生まれていなければ、あの男の愛はこちらに向けられていたのかしら……?)
アオリはあり得たかもしれない未来を思い浮かべ、すぐさまかき消す。
あれほど気味の悪い執着愛を向けてくる男など、いくら整った容姿であったとしても好かれたくないからだ。
(このまま嘘をつき続けてうまく取り入り王妃の座を狙うか、このまま行方を眩ませて別人として生きるか……。悩みどころね……)
――これからどう立ち回るべきか。
頭を悩ませていた少女は、前方から神獣とともに駆けてくる女性の姿に名前を呼ばれるまで気づけなかった。
「アオリ……?」
「わふ!?」
姉は歩みを止め、金色の瞳を見開く。
まさかアデラプス王国を任せたはずの新たな聖女が、自分の治める帝国へやってくるなど夢にも思わなかったのだろう。