追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
「俺が愛しているのは、ラシリネだけだ」
「わ、私……?」

 まさか彼の口から、己に対する愛が紡がれるなど思いもしなかった。
 ラシリネは金色の瞳を瞬かせて、驚きを露わにする。

(信じられないわ……)

 幼い頃からずっと、彼と想いを通じ合わせる日を夢見ていた。
 再び聖女となった時点で、その願いが叶えられることはないと諦めて勝手に落ち込み、悲しんでいた日々が嘘のようだ。

(想い続けていれば、いつかはその願いが相手に伝わる日が来るのね……)

 ラシリネは喜びを隠しきれぬまま、声を殺して大粒の涙を流した。

「ラシリネは、どうだ。俺を、どう思っている? 君にいだくこの気持ちは、迷惑か?」

 光に反射してキラキラと光り輝く白髪を左右に揺らし、否定する。

(もう二度と、同じ過ちは繰り返したくないもの……!)
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