追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
「陛下……」
「そんなに怯えないでくれ。君には、いつだって笑っていてほしい」
「ですが……。このままでは、神の天罰が……」
「本当にラシリネの言うような出来事が起きるのであれば、すでに起こっていてもおかしくない」
「神様にも、準備があるのでは……?」
「どちらが真実か、神に直接聞いてみればいいだろう」

 皇帝に促されたラシリネは、今まで気配を消して大人しくしていたスノーエルのほうへはっと視線を移す。
 神獣はいつもなら「わふん?」と不思議そうな鳴き声を上げるのに、なぜか今日は人間の言葉を発した。

『ようやく、くっついたか』
「神様……!」
『おう。何度すれ違えば想いを通じ合わせられるのかと、ヒヤヒヤしたぜ』
「申し訳、ございませんでした……!」

 天界から降りてきた神が神獣の身体を借りて話す姿を目にしたラシリネは、勢いよく大型犬に向かって頭を下げた。
 しかし、彼はこちらがなぜ謝罪をするのか、不思議で堪らない。
 不機嫌そうに問いかけてくるのが、印象的だった。
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