追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
(こ、こういうのは……。やっぱり、よくないわ……!)

 顔を真っ赤にして狼狽えながらも、何度も自分に平常心へ戻るように言い聞かせ、どうにか本来の調子を取り戻す。
 その後、甘ったるい空気を霧散させるべく、ある疑問を口にした。

「で、でも……。私は、エヴァイシュ帝国の聖女に就任いたしました。解任式が執り行われぬ限り、もう二度とこの力から離れることはできぬのでは……?」
『それなら、心配いらねぇよ。一体なんのために、神の器をそばに置いていると思ってんだ。目的を達成するまでは、そういう縛りは解除しといてやる』
「神様……!」

 どうやら神の力を持ってすれば、長い間聖女達の間で言い伝えられている現象はいくらでもどうとでもなるらしい。

(よかった。あと準備が出来次第、アオリの元へと向かうだけね……!)

 先程まで目まぐるしく表情を変化させていたラシリネは、ようやく本来の落ち着きを取り戻した。
 満面の笑みを浮かべ、神へ感謝を伝えるためにスノーエルの身体へ飛びつく。
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