追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
「ありがとうございます!」
『おう。どういたしまして』
「神様には、たくさんお世話になりました……! アオリの件は、お任せください! 私が、必ずや彼女を正気に戻してみせます!」
『頑張れよ』

 神は『これ以上何も伝えることはない』と言わんばかりに棒読み気味のエールを送ると、獣の中から天へと帰った。

「わふっ!」

 意識を取り戻したスノーエルは、聖女に抱きしめられたのが嬉しくて仕方ないようだ。
 明るい声を響かせ、「もっと抱きしめて」と言わんばかりに頬を擦り寄せる。

「もう……。スノーエルったら……」

 ラシリネが呆れたように声を吐き出しながら「期待に応えてやらなければ」と、白くて触り心地のいい毛並みを強く腕にいだこうとした時だった。
 その行動を批難するような紫色の瞳に、見つめられていると気づいたのは。

「陛下……?」
「いくら相手が神獣だとしても、恋人よりも優先するのはいかがなものか……」
「こ、恋人!?」

 ダリウスと自分の関係が知らないうちに「昔馴染み」から「恋人」に変化しており、驚きを隠せない。

「違うのか?」

 陛下から不満そうに問いかけられてしまえば、「そうですね」など口が裂けても言えなかった。
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