追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
(アオリは、私と同じ勘違いをしていたのかしら……?)

 ラシリネは、なんとも言えない表情で妹を見つめる。
 ダリウスと想いを通じ合わせていなければ、自分が彼女の立場であった可能性もあったからだ。

(きっと自分こそが陛下の寵愛を受けているに違いないと信じて疑っていなかったから、姉である私を選んだのが信じられないのね……)

「どいつもこいつも……! あたしにかわいそうなものを見る視線、向けないでくれる!? 不快で仕方ないのよ!」
「ご、ごめんなさい……。あなたのことを思ったら、冷静ではいられなくて……」
「もういいわ! 聖女なんて、辞める! あとはあんたらだけで、なんとかしてよね!」

 アオリは苛立ちを隠しきれない様子で胸元につけていたネックレスを勢いよく引っ張り、床に叩きつける。

(あれが、元凶だわ……!)

 そのモチーフに障壁へ張り巡らせられていた闇のオーラとそっくりなものが纏わりついているのに気づき、ラシリネは慌てて地を蹴った。

「ラシリネ!」

 それが破壊される前に浄化しなければ、大変なことが起きるような気がしたからだ。
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