追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
(たとえみっともなく地べたを這いつくばるとしても、構わない……!)

 ラシリネは勢いよく小さな身体を滑らせ、どうにか振り上げた妹の足が魔具へ当たる前に掬い上げる。

「駄目だ! すぐに、その魔具から手を離せ!」

 後方からダリウスの怒声が響き渡るが、ラシリネはそれに従うわけにはいかなかった。
 魔具に触れたおかげで、その効果が手に取るようにわかるからだ。

(神様はこの魔具に込められた闇のオーラと、聖なる力を勘違いしたのね……)

 ――つまり、これさえ浄化してしまえば、アオリが聖女と誤認されなくなる。
 解任式をする必要なんて、ないのだ。

「アオリは、この地を見捨てるとはっきり宣言いたしました! 神様! 聖女になる資格が妹にはないと、今から私が証明します……!」
「や、やめろ! 彼女は貴様なんかよりも素晴らしく可憐な聖女なのだ! 辞められては困る!」

 国王は焦ってラシリネを止めようとしたが、己を守るように庇い立ったダリウスがあっという間に無効化したおかげで、大人しくなる。
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