追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
「なんで、あたしの邪魔をするのよ!? あんたは、そいつと幸せになれたらそれだけで満足なんでしょう!? 誰のおかげで、この国の聖女を辞められたと思ってんのよ。あたしのおかげでしょ……!?」
「アオリ……」
「あたしも、あんたみたいに賞賛されたかった。たった1人でいいから、愛されたかった。それだけなのに……。なんでこんなに痛い思いをして、苦しんで、聖女の座から引きずり下ろされなきゃいけないの……!?」
「それはあなたが嘘をつき、禁忌とされる魔具の力を借りて神様を騙したからです」

 妹の絶叫を耳にしたラシリネは、不思議で堪らなかった。

(あんなにも両親から愛されていたのに、なぜそれをなかったことにできるのかしら……?)

 両親からの愛を得られなかった自分にとって、ダリウスは唯一と言ってもいい心の支えであった。

(陛下がいなければ、私も彼女のように愛を求めて暴れ狂うバケモノになっていたかもしれないわ……)

 彼女は幼い頃に大好きな少年と出会えなかった、己の成れの果てだ。

(そんなふうに思って同情していると知ったら、もっと怒られてしまいそうね……)

 ラシリネはみっともなく倒れ伏すアオリをじっと見下す。
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