追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
 一度だけ、彼女にチャンスを与えると決めた。
 ここで「罪を認める」と宣言すれば、更正を促す。
 だが、もしも――。
 己の罪から目を背けるようなら――。

「嫌よ! あたしだけ悪者になるなんて……! そんなの、絶対に無理!」

 ラシリネは容赦なく、彼女に罰を与えるべきだ。

「そうですか……」

 金色の瞳が、心底不快だと言わんばかりに歪められる。
 だが、妹はそんな姉の表情に気づけずにいた。
 彼女は身の潔白を証明するのに、必死だったからだ。

「こんなことなら、あいつの言うことなんて聞かなければよかった!」

 アオリは苛立ちを隠せない様子で、気になる言葉を口にした。

(まるでこの子1人が計画を企て、実行に移したわけではないとでも言わんばかりの口振りね……)

 もしも彼女に協力者がいるのであれば、一体誰なのだろう? 

(魔具をどこから入手したか、まだ不明ですもの。アオリを無効化すればすべてが終わるなんて、思ってはいけなかったのかもしれないわ……)

 己にあとがないと知り、追い込まれた妹がいつも以上に饒舌な様子で声を荒らげる姿を見ながら、ラシリネはどこか困ったように金色の瞳を細めた。
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