追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
 甘い言葉を囁き、難を逃れようと試みる。
 しかし、その主張を甘んじて受け入れるつもりなどなかった

「お断りします!」
「な、なぜだ!? 貴様はこの国の聖女になりたいのではないのか!?」
「アデラプス王国の武力では、この国を守りきれません。いずれ魔獣に食い殺され、誰1人残らないでしょう」
「だったら……!」
「私はダリウス様の治めるエヴァイシュ帝国を守りたいから、聖女になりました。民の命を1人でも多く救いたいと願うのなら、今すぐ王座を退いてください」

 満面の笑みを浮かべて宣言したこちらの姿を目にして、絶望がより深まったのだろう。
 男はみっともなく瞳から涙を流し、必死に懇願した。

「い、嫌だ……! なぜ、そんなことをせねばならんのだ……! 由緒正しき王家の血を引くのは、私だけ……! 絶やすわけには……!」

 しかし、このまま彼が王座に座り続ける限り、この国は救われない。
 ラシリネは優しい声音で語りかける。
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