追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
 1分1秒も、無駄にしている時間などないからだ。
 部屋の隅で大人しくしていたスノーエルに視線を移し、大声で叫ぶ。

「神様! アデラプス王国の王が、王座を退きました! 偽聖女アオリも、この国を守護する資格を失っております!」
「これより、この領土はエヴァイシュ帝国のものとする」

 その宣言を受けて、待っていましたとばかりに神獣の中へ神が降りてきた。

『ラシリネ! よくやった! あんたの力をあのいけ好かねぇ奴に見せつけて、ぎゃふんと言わせてやれ!』
「はい!」

 ラシリネは神の指示を受け、胸元で組んでいた両手を大きく開く。
 その後、祈りを捧げた。

(民を守る、強固な防蟻壁を……!)

 その願いは天に通じ、みるみる内に完璧な障壁が生み出された。

「奇跡だ……」

 その様子を目にしていた国王は、瞳から大粒の涙を流して謝罪を繰り返す。
 どうやらようやく、心の底から自分を「ハズレ聖女」と罵倒し、この国から追放したのを反省できたようだ。
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