追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
11・大帝国の守護聖女は伝説となる
 アデラプス王国が陛下のものとなり、ラシリネが障壁を展開してから数カ月の時が経つ。
 話し合いの末、王位を剥奪された元国王は、人里離れた田舎町で静かに余生を過ごすことになったそうだ。
 そして、偽聖女を騙り禁忌とされる魔具を使って闇のオーラが含まれた障壁を展開し、人々を恐怖に陥れた妹は――。

『ラシリネの受けた苦しみを、味わえ』

 ダリウスの強い要望により、追放処分が言い渡された。
 当然「着の身着のままで放り出されるなんて冗談ではない」とアオリは抵抗したが、彼女は罪人だ。
 聞き入れられるはずもなく、妹は自分と同じように魔獣が生息する森の近くへ追放された。

 それから彼女がどうなったか、ラシリネに知る術はない。

(陛下のことだもの……。きっとあの子の行く末は、きちんと把握しているんでしょうけれど……)

 己のように魔獣に襲われるか、親切な村人が偶然通りかかって助かるか、持ち前の明るさと大胆な性格により、獣達を味方につけるか――。
 とにかく、ラシリネにできるのは1つだけだ。

(アオリは確かに、賞賛を受けるために人々を危険に晒したわ。けれど、罪の意識はなかった……)

 妹に複雑な感情をいだきながら、胸元で両手を組んで祈りを捧げる。
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