追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
「あ、あの……! 1つ、よろしいでしょうか!」
「どうした?」

 陛下は当然のように、発言許可をくれた。
 それにほっと胸を撫で下ろしつつ、呼吸を整えてから声を発する。

「私は襲名式を執り行い、聖女になりました。本来であれば、解任式のようなものが執り行われるのが一般的なのでしょうか……?」
「ああ。そのような記述が、古書にある」

 こちらの疑問にも、ダリウスは神妙な顔で丁寧に答えてくれた。

(やっぱり……)

 ラシリネは「やはり己の考えが正しいのだ」と確信し、恐る恐る辿り着いた答えを口にした。

「もしかするとまだ、私は自国の聖女なのかもしれません……」
「なんだと?」

 ラシリネは紫色の瞳に剣呑な色を灯した皇帝に怯えつつも、一生懸命説明を試みる。
 ここで恐れて口を閉ざしては、いつまで経っても前に進めないからだ。
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