追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
 だが、それも数分の間だけだ。
 彼の警戒心を10として比べた際、そのくらいの割合になるのは当然だと納得できたからだった。

「ああ。だから余計に、ラシリネを自分だけしか触れ合えない場所に閉じ込め、行動を制限したいと思うのだろう……」
「ダリウス様……」
「君は、危なっかしくて仕方がない。俺やスノーエルと出会っていなかったらと思うと、ゾッとする」

 ――彼が不安に思うのも、無理はなかった。
 実際ラシリネは、何度も誤った選択をしたせいで、たくさんの人々に迷惑をかけた挙げ句、母国を追放された。
 そして、魔獣に食い殺されかけたのだから……。

「ダリウス様が私の命を救ってくださらなければ、あなたの妻になれませんでした。この帝国も魔獣の恐怖に怯え、母国も人が住めぬ荒れ地へと変わり果てていたかもしれません……」
「そうだ」
「これからは、気をつけますね」
「ああ。そうしてくれると、助かる」

 彼の表情が、ようやく和らいだ。
 どうやら、納得してくれたらしい。
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