追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
『ラシリネが中途半端な障壁を生み出し続けた挙げ句、今度は偽聖女問題と来た。肩身が狭いの、なんのって……』

 天界に住まう神々は、どうやらたくさんいるらしい。
 彼はその中の1人であり、下っ端のような扱いを受けていた。
 そんな男性が仲間達に声をかけたところで、聖女達にうまく伝わるかどうかは未知数だ。

「伝言ゲームは、避けたいんです」
「君が直接聖女に手紙を認めたとしても、不審物扱いされて本人の目に届かない可能性だってある」
「て、定期的に、送ります!」
「全員は無理だと思うがな……」

 ダリウスは「なぜ妻だけがこんな苦労をしなければならないのか」と難色を示しているが、ラシリネは諦める気などなかった。

「最初は、うまくいかないかも知れません。それでも! 手紙を受け取ってくれた聖女が己の内に秘めていた想いを伝え、結ばれたのなら! きっと、噂が巡るはずです……!」

 己の目的は、手紙で事実を伝えることではなかった。

『聖女が生涯独身でいる必要はない』

 その話を全世界へ発信するためなら、ラシリネはどんな手段でも講じるつもりだった。
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