追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
「私1人では、無力かもしれません。ですが……。みんなで力を合わせればきっと、いつかは願いが叶うと思うので……」

 せっかく、民達から「大帝国の守護聖女」と誉れ高き名で呼ばれるようになったのだ。
 その名に恥じぬ聖女になりたいと、ラシリネはやる気に満ち溢れていた。

「仕方ないな……」

 そんな妻の姿を見かねた夫は、思うことがあったらしい。
 半場呆れつつも、先程まで反対していたのが嘘のように了承をしてくれた。

「分かった。俺も協力しよう」
「いいんですか!?」
「ああ。王家の紋章入りの手紙であれば、無下にはされないだろう」
「ありがとうございます……! やっぱりダリウス様はとっても頼りがいのある、素敵な旦那様ですね……!」
「もっと褒めてくれると、やる気が出るんだがな」
「はい!」

 ダリウスはどこか困ったように紫色の瞳を細めたあと、再び仕事へ集中する。
 ラシリネは開いている椅子に座り、急いで手紙を認め始めた。

(この世界を守護する聖女は、両手では数え切れないほどにいるはず……。片っ端から、手紙を認めるしかないわね!)

 世界地図とにらめっこをしながら、普段は交流のない小国から自分でもよく知る大国の名前を紙に書き記していく。
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