追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
 結婚式から、2年の時が経つ。
 22歳になったラシリネは、有名な画家に頼んで作成してもらったウエディングドレス姿の肖像画によく似た小さな画板を手に、手紙を認めていた。

「いつ見ても、君の着飾った姿は美しいな」
「かなり美化されすぎているような気がするので、これをお祝いに送るのはどうか思うのですが……」
「相手の希望なのだろう? 固辞するほうが、悲しませてしまうぞ」
「はい……」

 世界各国に認めた大帝国の聖女による「恋愛解禁のお知らせ」は、2年経ってようやく浸透してきた。
 それは、己の言葉を真に受けた他国の聖女が想い人と心を通じ合わせても、神から天罰が下らなかったことが大きい。

 初めて自分以外の聖女が結婚したと聞かされたラシリネが「自国を離れられない代わりに、郵送でお祝いをさせてくれ」と文を認めたところ、返ってきた返信がこれだ。

『我々の結婚を祝福してくださるのでしたら、あなた様のお姿をいつでも見れる肖像画を頂きたいのです!』

 さすがは有名な画家だ。
 彼が大帝国の守護聖を描いた肖像画が王城に展示されているという噂はあっとう間に世界各国へ回っていたらしい。
 ラシリネは義母を経由して男性と連絡を取り、弟子に複製画を描いてもらうことになった。
 それが、今手にしている小さな画板だ。
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