追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
「前皇帝のお手を、煩わせるなど……」
「気にしなくていいのよ? わたくし達は、好きでやっているんですもの。ねぇ?」
「うむ。かしこまる必要はない。それと……」

 その様子を目にして恐縮していると、2人が視線を交わらせて何かを目線で訴えかける場面に遭遇した。

(何かしら……?)

 こちらの疑問は、前皇帝から発された言葉によってすぐに解消される。

「前皇帝など、他人行儀な呼び方は謹んでもらえると助かる」
「では、なんとお呼びすれば……?」
「そうねぇ。やっぱり、お義父さん、お義母さんと……」
「ラシリネはまだ、帝国にやってきたばかりだ。あまりにも、気が早すぎる!」
「あらぁ。そんなに怒らなくたって、いいじゃない。ねぇ? あなた?」
「うむ。本性は、早めに見せておいたほうがよいぞ」
「大きなお世話だ!」

 陛下は両親に声を荒らげると、用は済んだとばかりにこちらの腕を引っ張る。

「準備ができたら、顔を出す」
「今度は、2人だけでお茶会をしましょうね!」

 ラシリネは半場引きずられるようにして優しく微笑む2人に見送られ、その場から立ち去った。
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