追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
 2つの生き物が共存するこの世界では、争いが絶えない。
 魔獣も人間も、己の身を守るために異なる種族へ牙を向けるのだ。

 ある時から人間達は、神の愛し子たる聖なる力を持って生まれた聖女に自国を守護するように命じた。
 その作戦は大成功。
 優秀な聖女の祈りによって、人々の平穏は保たれた。

 しかし――。
 たった1人の女性を犠牲にして数多の生きとし生けるものを守るやり方に、異論を唱える者がいる。
 それが、ダリウスのような考えを持った人々だ。

『我々は、聖女になど頼らない』

 神の力を借りずに国を守ると決めた皇帝は、血の滲むような努力を重ね、剣の腕に自信のある王立騎士団を設立した。
 彼は自ら指揮を執り、魔物達を討伐する。

(凄いわ……)

 ラシリネはその光景を目にして、唖然とした。
 自国では魔物が出現した直後、王立騎士団に所属する男性達であったとしても、取り乱した人々が「死にたくない」と叫び、地獄絵図と化していたからだ。
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