追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
 この提案は、どうやら彼にとって思いがけないものであったらしい。
 陛下は目を大きく見開いたあと、呆然と同意を示す。

「あ、あ……」
「よかった!」

 たとえどれほど困惑していようとも、言質を取ればこちらのものだ。
 ラシリネはこれ幸いとばかりに、己の考えを口にした。

「私は守られているだけではなく、強くなりたいんです! 陛下。お時間があったら、剣術を教えてくださいね!」

 彼は苦虫を噛み潰したような顔をしながら、難色を示している。

(こんな姿すらもかっこいいなんて、反則だわ……!)

 ラシリネはドキドキと心臓をときめかせながら、危なげなくすべての魔物を退けた王立騎士団とともに王城へ戻った。
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