追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
(これから、どうすればいいのかしら……)
修道服は脱がされずに済んだが、無一文の状態でできることは限られている。
頼れる人もおらず、腕っぷしにも自信がない。
そんな自分にできるのは、10年前に別れた想い人を訪ねて隣国を目指して歩くことくらいだろうか。
(聖なる力を持つ人間は、魔物にとっては真っ先に始末するべき格好の的……。このままこんなところにい続けたら、食い殺されてしまうわ……)
まずは食料の確保と、武器の調達を最優先にするべきだ。
隣国へ向かうかは、あとで決めればいい。
(果物が実っているとしたら……。やはり、森の中よね……)
ラシリネが魔獣の住まう森へ目をつけ、そこに向かって歩みを進めようとした時だった。
勢いよく、黒い小さな影がこちらに向かって飛び出してきたのは。
「ルガウッ!」
それは唸り声を上げて、敵意を向けてくる。
――恐れていた事態が、起きた瞬間だった。
「ひ……っ!」
魔獣が姿を見せた直後、思わず喉が引き攣る。
ラシリネは国中に障壁を張ることはできても、防護壁を自らの意のままに操って身を守る術を持っていない。
鋭利な牙を持った生物と出会ってしまった時点で、死んだも同然だ。
修道服は脱がされずに済んだが、無一文の状態でできることは限られている。
頼れる人もおらず、腕っぷしにも自信がない。
そんな自分にできるのは、10年前に別れた想い人を訪ねて隣国を目指して歩くことくらいだろうか。
(聖なる力を持つ人間は、魔物にとっては真っ先に始末するべき格好の的……。このままこんなところにい続けたら、食い殺されてしまうわ……)
まずは食料の確保と、武器の調達を最優先にするべきだ。
隣国へ向かうかは、あとで決めればいい。
(果物が実っているとしたら……。やはり、森の中よね……)
ラシリネが魔獣の住まう森へ目をつけ、そこに向かって歩みを進めようとした時だった。
勢いよく、黒い小さな影がこちらに向かって飛び出してきたのは。
「ルガウッ!」
それは唸り声を上げて、敵意を向けてくる。
――恐れていた事態が、起きた瞬間だった。
「ひ……っ!」
魔獣が姿を見せた直後、思わず喉が引き攣る。
ラシリネは国中に障壁を張ることはできても、防護壁を自らの意のままに操って身を守る術を持っていない。
鋭利な牙を持った生物と出会ってしまった時点で、死んだも同然だ。