追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
(本当に、最低だわ……。陛下には、関係ない話なのに……)
こんなふうに彼の同情を引いたら、もしかしたらまだ見ぬ想い人よりも自分を好きになってくれるのではないか。
少しでもそんなふうに思う己の気持ちが信じられなくて、ますます自己嫌悪に陥ってしまう。
「ラシリネ……」
こうした姿を目にして、彼も心を痛めたのだろう。
切なげに紫色の瞳を細め、腰に回す腕を己の胸元へ引き寄せた。
「無理をしている君の姿を見るほうが、よほどつらい」
「そんな……!」
「俺のためを思って本気で言っているのなら、止めてくれ」
陛下にも「改善しろ」と言われてしまえば、どうにか折り合いをつけて前向きな気持ちを取り戻すしかない。
(落ち着いて……)
何度も己に言い聞かせて深呼吸を繰り返せば、だんだんと気分が凪いでいく。
ラシリネは目元に溜まった涙を小さな指先で拭ったあと、か細い声で疑問を口にした。
「陛下の言うことを聞かなくて、いいのですか……?」
「君のしたいように、すればいい」
ラシリネが言葉の意図を読み取れずに小首を傾げていると、その様子を見守っていたスノーエルが呆れたように鳴き声を響かせる。
こんなふうに彼の同情を引いたら、もしかしたらまだ見ぬ想い人よりも自分を好きになってくれるのではないか。
少しでもそんなふうに思う己の気持ちが信じられなくて、ますます自己嫌悪に陥ってしまう。
「ラシリネ……」
こうした姿を目にして、彼も心を痛めたのだろう。
切なげに紫色の瞳を細め、腰に回す腕を己の胸元へ引き寄せた。
「無理をしている君の姿を見るほうが、よほどつらい」
「そんな……!」
「俺のためを思って本気で言っているのなら、止めてくれ」
陛下にも「改善しろ」と言われてしまえば、どうにか折り合いをつけて前向きな気持ちを取り戻すしかない。
(落ち着いて……)
何度も己に言い聞かせて深呼吸を繰り返せば、だんだんと気分が凪いでいく。
ラシリネは目元に溜まった涙を小さな指先で拭ったあと、か細い声で疑問を口にした。
「陛下の言うことを聞かなくて、いいのですか……?」
「君のしたいように、すればいい」
ラシリネが言葉の意図を読み取れずに小首を傾げていると、その様子を見守っていたスノーエルが呆れたように鳴き声を響かせる。